雨のち晴れ人生なんてそんなもの

~桜の如く~居酒屋ママの呟き

子供達と離れ離れに!今迄で一番辛い日

はてなインターネット文学賞「記憶に残っている、あの日」

わたしの「記憶に残っている、あの日」は子供達と離れ離れになった日です。

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当時、DV・家庭内暴力の夫から逃げやっとの思いで離婚。

離婚後、決して居心地が良いとは言えない実家に子供3人と身を寄せます。

光熱費が高いと文句を言われながら行くところのない、胃がキリキリ痛む日を過ごし何とか引っ越しできるまでこぎ着けたのでした。

私と子供3人、貧乏ながらも楽しい日々を過ごしていました。

そんな楽しい日々も長く続きません。

離婚した元夫による嫌がらせとストーカーに悩む日々がやってきました。

元夫はタクシー運転手。

どうにかして私達の居場所を突き止めたのでした。

家の近くに大きな公園があり大きな駐車場もあります。

そこでタクシーを止めて待ち伏せしてたのでした。

さすがに、たくさんの人がいるところでの暴力はありませんが「よりを戻したい」「俺のどこが悪い」そんな事ばかりを言ってきます。

何故か、長男を目の敵にする元夫。

「あいつのせいだ」長男は本当なら高校3年生。

だけど、元夫のDV/家庭内暴力を見かねて「俺、学校辞めて働くよ。母さん逃げよう」と言ってくれたのです。

まさに逃げるだったのです。

見つかれば、殴られる、下の2人にも暴力。

それをいつもかばってくれたのが長男でした。

力では元夫に負けない位になっていました。

やっとの思いで逃げ幸せな生活ができるようになったのに…

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ある日、玄関から臭い臭いが漂ってきました。

なんとドアポケットにう〇こが入れらてたのです。

そのう〇こ攻撃は毎日のように続きました。

警察に相談に行くと、「証拠がないから」最後には「どこか遠くへ引っ越ししてください」でした。

引っ越しなどできるわけがありません。

そんなお金などないです。

ある夜、末っ子がジュースを飲みたいとグズリました。

100m程先に自動販売機があるので子供3人で出掛けました。

暫くすると下2人が息を切らせながら走って帰ってきました。

「兄ちゃんは?」私が聞くと「父さんに車で追いかけられた。兄ちゃん囮になって違う方へ走ってくれた」と言います。

すぐに警察に電話。

自分の事など構ってられず2人に家から出るな、と言い探しに行きました。

公園で、取っ組み合いの喧嘩をしています。

警察にもう一度電話して元夫連れて行かれました。

長男はあちらこちらに傷が出来ていました。

それに腹を立てたのか今度は私を待ち伏せ、無理矢理車に乗せられ元夫の家に連れて行かれました。

元夫の家では修羅場です。

その辺にあるものを投げつけひるんだ隙に裸足で逃げました。

勿論、警察にも訴えました。

しかし、また「どこか遠くへ引っ越ししてください」と言われたのです。

そんな時でした。

知人に相談すると半年契約で高知の民宿で住み込みで働かないと言われます。

しかし、子供は一人だけしか連れて行けないでした。

会社に相談すると前借で分割払いで貸してくれるようになりました。

決まると早いものでした。

元夫はタクシー運転手の運転手で非番の日は絶対昼過ぎまで寝ることを知っていました。

前日は夜勤ですから。

しかし、子供達と離れ離れになる。

そう考えただけで胸が締め付けられました。

でも、半年の我慢と自分に言い聞かせます。

前日は目一杯子供達と遊びました。

夜になり、寂しさで眠れませんでした。

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離れ離れになる日

朝早くに目が覚めました。

4人で食べる最後の朝ごはんを作ります。

荷物は殆ど荷造りしてしまっているので目玉焼きとトーストでした。

が喉を通りません。

と同時に一気に寂しさがこみ上げてきます。

たかが半年されど半年です。

元夫といる時、どんなに辛い時も一緒で庇いあい助け合い生活しました。

4人で元夫にかかっていったこともありました。

全てが思い出されます。

それにわかっていました。

今泣けば止まらなくなる。

それに後戻りはできない。

一緒にくる末っ子も不安にさせるであろう。

本当に母想いの子供達です。

私の宝であり命です。

泣いてはいけない。

泣く時は半年後の再開の時、と自分に言い聞かせます。

車で和歌山港、そこからフェリーで高知です。

片道6時間の旅です。

車に乗った時、手が震えていました。

涙をこらえるのが必死で和歌山に残る2人の言葉も耳に入りません。

ドアを閉め出発する時も「半年後ね」と素っ気なくいい車を出しました。

バックミラーに映る2人。

見る勇気もありません。

泣いたらあかん。泣いたらあかん。思う程勝手に涙が伝います。

今迄で一番辛い日でした。

フェリーに乗りながら、離れ離れになったばかりなのにホームシックになりました。

2人の無事を祈りつつ海を見つめていました。

 

高知の民宿では、衣食住、全てお金が要りません。

半年分キッチリ貯めて和歌山に帰って来ました。

その後元夫には遭遇していません。

今は長男・末っ子と3人暮らし。

真ん中の娘には結婚して2人の子供がいます。